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演奏会の進化 - 2023年12月ヴァディム・ホロデンコのコンサートの物語

 ウクライナ生まれ、2013年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの覇者、

ヴァディム・ホロデンコが4年ぶりに来日。



 2023年1212日(火)東京・紀尾井ホールで東京21世紀管弦楽団と協演し、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を、一夜にして自ら弾き振りする演奏会を行います。

この特別な演奏会は、一体どのようにして実現したのでしょう?

今日はその物語をご紹介します。



コンサートを聴きに行く時に、どれだけの事前の企画・準備がその裏にあるかということに思いを馳せる人は余り多くないでしょうか。クラシックコンサートの場合、1年~1年前にホール予約を始めとして, 大体の企画が決まります。



しかし、今回の12月12日のコンサートの場合は、特に長い道のりでした。その上、紆余曲折のストーリーが。

まずは、未来に羽ばたく新しいオーケストラとして創設されたばかりの、「東京21世紀」の協力コンサートとして、2019年11月に具体的な企画を始めました。2020年9月のコンチェルトコンサート開催を決定し、準備を進めておりました。



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しかし、コロナの影響ですべての企画がダメになりました・・・

そして、4年の月日が経ち、実現します。



なぜヴァディム・ホロデンコ? 特別なアーティストです。この若きウクライナ人ピアニストは何故か日本では存在感は薄いようですが、欧米では非常に人気があり、各国のオーケストラから引く手あまたです。「ピアニストのピアニスト」と言われるほどに、コンサートピアニスト達に尊敬されており、マスタークラスを希望するピアニストは後を絶ちません。三十代半ばにして音楽関係者にはMaestroと呼ばれています。ショーマンシップより、音楽性や完璧な技術、および比類のない広い音色のパレットで、音楽そのものの真髄を語るアーティストです。



まずは、ヴァディム・ホロデンコの演奏を少し楽しんで下さい。



圧倒的な優勝で知られた2013年のヴァン・クライヴァーンコンクールでの演奏。





あまり知れてないビデオですが、2017年、ウクライナでのバッハコンチェルト





および最近のアンコール曲、ホロヴィッツの「カルメン変奏曲」





そして、ベートーヴェン ピアノコンチェルトNo.5 「皇帝」





コロナ時代が終わって、「東京21世紀管弦楽団」とヴァディム・ホロデンコのコンサートが再度テーマになりました。最初に、ベートーヴェンのピアノコンチェルト+ベートーヴェンシンフォニーその他を考えました。



しかし今年は弊社の創立15周年記念コンサートシリーズの一環です。やはり、ピアノ会社のお祝いなので、ヴァディムのピアノをもっと聴いて頂きたいと思い、ヴァディムに優しい圧力を掛けて、コンチェルトを2曲弾いてくれるよう懇願しました。その結果、彼はベートーヴェンの第4番コンチェルトとモーツァルトの有名な第20番コンチェルトの2曲を同じコンサートで弾くことになりました。



さらに、ヴァディムはコンチェルト2曲だけではなく、コンサートの指揮も行いたいでしょうか?コンサートピアニストと話す時に、オーケストラの問題の話は多いです。



ヴァディムは「よろこんで」と弾き振りを引き受けました。つまり、オーケストラはソロイストと一体になって解釈すると、曲のイメージをしっかり作りあげることができるので、大歓迎ですということでした。



結果的に、このコンサートが出来上がりました。かなりユニークなコンサート経験になると思いますので、弊社の特別な15周年のお祝いにぜひご参加下さい。

F. ジェフスキ―「不屈の民」変奏曲の魅力

Rzewskiphoto.jpg「殆ど弾かれることのない」近代音楽の傑作、「不屈の民」の魅力について、ジェフスキーをこよなく愛するピアニスト、大瀧拓哉さんと音楽ジャーナリストの藤巻暢子さんが対談を行われました。ユーラシア協会の許諾を得て、「日本とユーラシア誌」に掲載された貴重な対談を皆様とシェアします。

 チリの革命歌として民衆から自然発生的に生まれたメロディーが、アメリカ建国200年記念音楽祭の為のディアベッリ変奏曲に匹敵する委嘱作品として、ジェフスキ―の手により、36の変奏曲として作曲されたのが1975年。難解と思われる大曲の魅力が分かり易く解説されています。

 ウクライナ出身のヴァディム・ホロデンコが12月5日にリサイタルを行います。この稀な機会を是非お聴き逃されませんよう。

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